10年…

例えば患者さんに
「彼氏が出来たんです!」と、報告を受け
「その彼と結婚が決まりました!」と、なり
「もう…昨日は夫婦喧嘩をしたんですよ!
頭にきちゃう!」と、なり
「子供が出来ました!」と、なり
そのお子さんの定期健診なんかを
させて頂いたくようになると

あぁ…年月が経ったなぁ…。
この患者さんとも長いお付き合いをさせて頂いているなぁ…と
感無量な感じが致しますね。

ちょっと前までは小学生だと思っていたら
先日も遊びに来てくれた男の子がいて
「大学に入って彼女が出来たんスよ」なんて言われると
やっぱり感無量というか
とても嬉しくなる。

今日も治療していた男の子に
「あれぇ…T君はそろそろ高校生か…」と、言うと
「今年の春から大学です」と、言われて驚いた。

そんな経つぅ?

いよいよ来月から念願の一人暮らしが始まるにあたり
彼に「正直…ちょっと不安もあります」と、聞いて
心がしめつけられる様な気持ちがした。

やはり一番心配なのは食事。

親にこう言われました…
ああ言われました…という話を聞いて

「その通りだよ。
ご両親の言う通りにしておけば間違いないわよ…。
とにかく、頑張って。
淋しくなったら、実家に帰ってきて
お母さんの手料理を食べてね…。」と、言って送り出した。

「頑張ります。先生、また来ますね!」と、言う言葉を聞いて
泣きそうになりました。

私はただの歯医者ですから
治療をして
患者さんの背中を見送るしかできませんが
やっぱり…人間ですから感情移入しちゃいますね。

これがまだ開業してたったの10年ですからね。

何十年も開業されている諸先輩方々は
どんな気持ちがするのだろう…と、思う。

父は開業して40年余りでしたが
葬儀の時に患者さん達が
親子3世代で足を運んで下さった方々が大勢いらして下さり
「父は開業医冥利につきるなぁ…。
本当にありがたいなぁ…。」と、思いました。

亡くなる直前まで勉強会に足を運び
「こんな小さな町医者なのに
この機材を買うわけぇ?」という
大がかりな高価な機材も導入した痕跡を
亡くなった後に目にしましたが
今となると彼の気持ちがわかる。

人懐こい人でしたから
患者さんが好きだったのでしょうなぁ…。

今は父の気持ちが少しわかる様な気がします。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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