雑巾がけ…②

若かりし頃…国家試験が受かり
さて!今日からいよいよ!歯科医師として
社会に出ます!という初日…

当日の朝、とても緊張して
「ど、ど、どうしよう…」と、母に泣きついたら

「何もできなかったら
雑巾がけをしなさい」と、言われた。

「とりあえず雑巾がけ!何事もこれが原点!」という風習は
ある一定の世代をボーダーラインとして
全くニュアンスが通じないだろうなぁ…と、思う。

今から35年位前に
母とアメリカの友人のお宅にお邪魔した時に
日常生活に占める雑巾やフキンの割合が
とても低いので驚いた。


例えばキッチンペーパーを見て
「へぇ…フキンで拭かないんだ…」と、驚き

バケツに水を入れてモップ掛けをしている人をみて
「へぇ…雑巾で拭かないんだ…」と、驚き

窓ガラスも今でこそよく目にする
T字型のワイパーの様な物で窓ガラスの掃除をしている人を見て
「へぇ…雑巾で拭かないんだ…」と、驚き

これは便利だなぁ…と、感心した。

母はそういった習慣があまりお気に召さなかった様で
特にキッチンペーパーだけは許せなかったようですね。

「紙がもったいない…。」と
苦々しい顔をしていたのが印象的で
「こんな事をしているとこの国はダメになるね!」と
帰りのフライトでプンプンと怒っておりました。

しかし母の何の根拠もないその発言も
後で考えてみると理にかなっていて
カーター政権が懸念していた消費文化の
火付け役となったのがレーガン政権で
彼はウォール街の
お偉い方々から輩出された大統領でしたから
消費文化に拍車がかかったわけですね。

あれから30年経ってみると
あながち母の言葉も間違っていなかったのね…なんて思ったりする。

では私が自分の家庭を持ってみて
雑巾はどうか…と、考えてみると

雑巾もフキンもあるけど
キッチンペーパーもあるし
(これはお料理の素材の水切りなんかに便利ですね。
魚の血のりを取ったりね。)
トイレ掃除にはトイレクイックルを使いますな。

要するに利便性を重視して
ケースバイケースで使いわけている感じでしょうか…。

しかし
先日、私より1周り以上若い友人のドヤ子ちゃんに
「ククッ…、出た!“雑巾がけ”発言!」と指摘され

なるほどなぁ…と、可笑しかった。


いわゆる…ジェネレーションギャップですな。


確かに…私は戦前生まれの母ゆずり(?)の
雑巾がけ発言は多いかもしれません。

「え?それって“雑巾がけ”すればいいじゃん」
「“雑巾がけ”しておいてね」等と、スタッフにもよく言うし

「この壁紙はいいのよ…。安いけど“雑巾がけ”が出来るから…。
いつまでもキレイに使えるわよ!」と
内装をする時の判断基準の1つにもなっていたりする。

年々…母に似てきます…(泣。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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