ルーツ

最近、諸々と実家に行く用事が多い。

昨日はアルバムの整理をしました。

お若い方はご存知ないかもしれませんが
昔の古いアルバムというのは
こんな感じ↓





台紙に写真を貼付ける。

「5, May , 1970 伊香保射撃場にて。
パパとママの4回目の結婚記念日。」と
母が万年筆で写真の下にコメントが入れてある。

この時私は3歳のお誕生日をむかえる少し前。

当時、父はクレー射撃が好きだったわけですが
なにも結婚記念日に女房、子供を連れて行かなくても…と苦笑したが、
射撃をする父の背中を真剣に見ている私の写真を見ると
案外、小さいながらも
ファザコンの私の事ですから
楽しかったのかもしれない。

昔の写真というのを見始めると
歴史をさかのぼりたくなりますね。

母の独身時代のアルバムを見ると
やはり日付とコメントが書いてあったが
このコメントに興味を持った。

この時代に流行ったイベントなのか
女友達数人とハイキングやサイクリングへ行った写真が多い。

母と友人達とお弁当を食べている写真のコメント
「大きなおにぎりを食べています。食べています。(何故か2度繰り返す)
大きなお口を開けているところを撮るなんて困った人達ね!
恥ずかしいわ。」

母がちょっと上を向いた写真
「アラ、ヤーダ!スマシチャッテル!」
(こういった冗談を言う時には
カタカナを使う傾向にある…)

波打ち際を歩く写真
「サンサンと波が私に語りかけてくれます。何を?
ウフフ…それは私と波のみが知っている事よ。」
(ロマンチスト?!)

まぁ…とにかく筆まめだなぁ…という印象。

あどけない母の顔写真を見ながら
この後、京都から群馬に嫁ぎ
子供を4人育て
特に一番上の子供である私に苦労させられ
真っ白な白髪頭になる事など
想像もしていなかったろうなぁ…と、思った。

私は学生時代に「写るんです」等で撮った写真は
殆ど捨ててしまっています。

眺めて昔を懐かしむ事もないですし
私が先に逝った場合
夫に見られたらどうなのよ?という写真も無い…わけではない。

しかし
お子さんのいるご家庭では
写真というのは取っておいた方が断然いいですね。

例えば子供が成長した時に親のアルバムを見て
「えぇっ?!お父さんっ!髪の毛があったんだ!」とか
「おふくろ…、ミニスカートって…。」とか
色々な驚きがあり楽しい。

自分のルーツをかいま見た気がするんじゃないでしょうか。

先日、前回書き込みした
親戚のH君がまた我が家にご飯を食べに来た時に
彼は自分の名前のルーツを知ったと言っていた。

「死んだ親父が小学生の時の卒業アルバムを見ていたら
すごく可愛い女の子がいてさ
俺と同じ名前なんだよね。
何でおれは女みたいな名前なんかなぁ…って、
ずっと思っていたけれど
こうゆう事だったんだな…って、思ったよ」と、言っていた。

男3人兄弟の三男坊のH君。

伯父ちゃんって案外ロマンチストだったんだな…と
ちょっと可笑しかった。

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突然ですが…
最近ふと思うのは人と人との絆。

結婚すると今まで育ててもらった家族の元から離れて
新しい2人家族が出来る。

私の場合は子供がおりませんから
2人と犬3匹という家族構成。

ところが血はつながっていないけれど
家族以上の絆を感じる人達との出会いというのがありますね。

それが友人であったり患者さんであったり…。

私はそういった方々に非常に恵まれているなぁ…と、思うんです。

1人じゃないんだな…と、思える。


先日、H君という私より一歳年下の父方の親戚にあった。

彼は小さい頃から私の事を「ちい姉ちゃん」と、呼び
私も本当の弟の様に可愛がっておりました。

日々の忙しさに追われ
最近連絡は取っておりませんでしたが
時々彼の事を思い出しては
気になっておりました。

久しぶりの再開でしたが
「あなたの方は最近どうなの?」と聞くと
奥さんと離婚を前提に別居中だという。

夫婦の事は夫婦にしかわかりませんから
何とも言えませんでしたが
気になったのは食事の事。

「ご飯はどうしているの?」と、聞くと
仕事の帰りにコンビニでお弁当を買ったり
スーパーの総菜売り場で買って食べていて

「そんな時は無性に淋しいんだよね。
1人だなぁ…と、思ってさ」と、言ったわけです。

小さい頃の泣き虫な彼を思い出して
ちい姉ちゃんとしては
とても心が痛んだんですな。

1人じゃないんだよ…という気持ちを
彼にも知って欲しいと思いました。

人間は食べる事って大切だと思うんですよね。

例えばおにぎり。

あれって買って食べるものよりも
母親が作ってくれたおにぎりが一番美味しいでございますよね?

身体の他に心にも栄養を与えてくれると思うのです。

早速、昨日の月曜日の診療後
H君を自宅に呼んで夕食を作ってあげました。

ごはんとお味噌汁
焼き魚と卵焼きとお野菜…ちい姉ちゃん流お袋の味コース。

彼はご飯のおかわりを3杯も食べてくれて
とても嬉しそうでした。

小さい頃とちっとも変わらない満面の笑みを浮かべたH君に
「あなたは決して1人じゃないからね。
明日も仕事の帰りにご飯を食べによりなさいね」と伝えておきました。

今日は患者さんのIさんが
「先生…忙しいでしょうから」と、言って
手作りのバナナマフィンと
おこわを炊いて大皿に盛ってわざわざ届けてくださった。

「先生、夜にお酒の相手が必要になったら
いつでも電話してね」と、仰ってくださった。

Iさんの心遣いに泣きそうになった。

1人じゃないんだなぁ…という心の栄養を
今日は私が頂きました。

人と人との絆って本当に有り難いですね。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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