昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

確かに私は結婚式の時
「病める時も苦しい時も
共に助け合い
彼に添い遂げる事を誓いますか？」と、神父様に聞かれた時

「誓います」と言いました。

例えばそれが映画タイタニックのラストシーンの様に
一枚の板きれが海に浮いていて
私と夫のどちらか１人がそこに乗り
１人の命が助かるのであれば
喜んで夫に板を譲り
私は海の底へ沈んでいきますよ…という心づもりでいたわけですし
その気持ちは現在も変わらないと思っていた。

でも
やっぱり私という人間は
自分が1番可愛くて
窮地に立った時は
夫を無理矢理、海に沈めてでも
自分だけが板によじのぼってしまうオンナなんだなぁ…と、感じた事がありました。

それはスタッフの関ちゃんからのメールからはじまりました。

「先生、一部のタバコが5月の中旬まで買えなくなるらしいよ。」

えーーーーーーーーーーっ？！！！！！！
激震が走る。

慌ててネットでチェックすると
私の吸う煙草と
夫の吸う煙草は
その“一部”として正式発表されていた。

慌ててコンビニに走るが
既に「お一人様1カートンまで」とか「3箱まで」とか
規制がかかっていた。

「水不足で都内は品切れ」なんていう報道を観て
「無駄に買い占めちゃう人がいるからさ…こうゆう事になるのよ。
ミルクを飲む赤ちゃんとか
本当に必要な人にまわらなくなっちゃうのよね。
困ったものね」なんて涼しい顔をして
マザー・テレサみたいな事をのたまわっていた私がですよ…

なりふりかまわずコンビニ中を走り回り
買い占める、買い占める…もう、必死っ！
そしてこれでどうにか
5月半ばまではもつでしょうな…という量のタバコを
私と夫の分と2銘柄購入したわけです。

煙草を吸う方でも
「吸う銘柄は決まっているけど
無ければ無いで他の銘柄でもいい」という方も確かにおられますが
私は絶対だめ。

オトコと煙草は一途なのよ〜ん。
浮気は出来ない性分なのよ〜ん。

さて…
ちなみに夫はかなりのヘビースモーカー。

彼の吸うペースをみていると
とてもじゃないけど5月の半ばまでは現在の在庫がもちそうもない様子。

「ちょっとゴイサンッ！もっと大切に吸いなさいよっ！」と、イライラさせられる。

「無くなっちゃったら、お前のを貰うから大丈夫だよ」と、ノンキな夫。

そ、れ、がっ！！！！困るんだってばっ！！！！！

「冗談じゃないわよっ！！！私の煙草は私のですからねっ！！！！！
1本もあげないわよっ！！！！」と、鬼の形相。

いやぁ…人間って窮地に立つと
本性がでますな。

もう…我ながら醜い…。
度量が小さすぎる…。

どんだけ自分が可愛いんよっ！と、己をツッコミたくなる。

ゴイサン…ごめんね。

それから数日後
コンビニで雑誌を買いレジに並んでいたら
「えぇっ？！何で？何で無いんだよっ！」と、愕然としている男性客の方がいた。

その方は慌てて誰かに電話をかけて
半ばパニック状態だったと言っても過言ではない。

「わかります。ごめんなさい…。それは私が買い占めてしまったんですよ…」

心の中で謝りました。

本当に私は自己中で嫌なオンナでございます。

『歯医者』という言葉を辞書で調べてみると

歯の治療をする医者・歯科医

とある。

では『医者』を辞書で調べてみると

病人の診察・治療を職業とする人・医師

とある。

では『医師』を辞書で調べてみると

医術を仕事とする人

とある。

つまり『歯医者』という言葉は歯の医術を仕事とする『人』の事なわけですね。

ところが我々は日常会話ではこういった会話を使いますよね。

「歯が痛いんだよね」
「歯医者へ行ってきなよ」とか

「頭が痛いんだよね」
「医者へ行ってきなよ」とかね。

例えばこれが
「髪の毛が伸びて気になるのよね」だったら
「美容師に行ってきなよ」とは言いませんよね。

「美容“院”に行ってきなよ」ですよね。

では次に
治療現場で初診の患者さんがよく
「私は歯医者が大嫌いなんです。ですから宜しくお願いします」と、仰るケースがある。

「歯医者が大嫌い」…辞書からの本来の意味であれば
「歯医者」という言葉は人を指すわけですから
「って事は、私の事が大嫌いなわけですか…」という事になっちゃうわけですが
患者さんにしてみれば、決してそんな事を言いたいわけではなく
「歯医者が大嫌い」＝「歯医者で治療をするのが大嫌い。だって痛いっていうイメージがあるから」という事なわけですよ。

ですから「歯医者が大嫌いなんです」の後に、
患者さんはわざわざ「宜しくお願いします」と、仰るわけです。

って事は
「私は歯医者が大嫌いなんです。ですから宜しくお願いします」という言葉は
「私は歯科医院で治療をするのが大嫌いなんです。
痛いのが苦手ですから。
ですから痛くない治療を宜しくお願いします」と言う事なわけです。

ですから辞書ではどう説明されていても
現実的には
『歯医者』という言葉は
歯科医院であったり
歯科医院で治療をする行為であったりと
もう全部ひっくるめちゃっている総称なのね。

深いなぁ…。

な〜んて
こんな細かいどーでもいい事を
ちょっと考えたりしてしまう性格の私は
めんどくさいオンナなんなんですなぁ…。