昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
マーキング?
私は男の人の
煙草を吸う一連の仕草が好き。
更に欲を言わせて頂けば
男性の吸う煙草は
セブンスター
ショートホープ
マルボロ
ラッキーストライク
キャメル…このあたりの煙草が好ましい。
タール、ニコチンが重めの煙草がいい。
やれ、マイルドだのと中途半端な煙草なんぞを吸われた時には
「何でマイルドなんっ?!往生際が悪いなぁ…。
健康を気遣うなら、煙草なんぞはおやめなさい!」と言いたくなるし
メンソールに至っては
もう…言葉も無い…ハッカかよっ!おばあちゃんの飴じゃんかっ!
さて…
その男性の煙草ですが
空になった煙草のケースがクチャ…となって
テーブルの上に残されているのも好き。
森瑶子の小説的に言えば
朝、目覚める…。
彼の姿はない…。
テーブルの上に残された
ウイスキーの入っていたグラスと
煙草のケースに目をやり
昨夜は確かに『彼』がいた事を思い出す…。
最後の夜…。なんてねーーーーーーっ!
ちょっとセクシーな感じがする。
しかしこれが一晩の事ならいい。
結婚して毎日の生活となると話は変わってくる。
夫はショートホープを吸っていますが
机やテーブル、コーヒーテーブルの上…あちこちに
封の切られた煙草の箱が置かれている。
空だったらいい。捨てればいいんですから。
ところが必ず1、2本残っている。
例えば
彼は二階のリビングで煙草を吸う。
下の仕事場に行く時にそれを持っていけばいいのに身体だけ移動する。
移動先で新しく煙草の封を切る。
ですから家中、煙草が数本残ったケースがあちこちに置かれる。
マーキングかよっ!
これが本当に嫌っ!
私が定期的にそれらをまとめて
一つの箱に入れる作業を強いられる。
一箱吸いきってから
新しいモノに手を出して下さいっ!
発表会②
ピアノの発表会が惨憺たるもので
ソファで号泣していた私ですが
腹は減る。
ショックで何も喉を通らない…なんて風になればいいのでしょうが
その辺はやはり私は図々しいのね。
昨日のブログの続きになりますが
涙で化粧も剥がれ落ち
グシャグシャの顔の私でしたが
夫の
「何が食べたい?」に対して
「がってん寿司の牡蠣…」と即答。
早速いつもの「がってん寿司」へ行きました。
案の定「いつも毎度ありがとうございます」と言われ
尚かつ今回は
「今日はこの時間なのでお見えにならないのかと心配していたんですよ」には
恥ずかしいを通り越して
ここまできたら「牡蠣フェアー」の間は必ず来てやろうじゃないの!という気持ちになった。
もう…食べられませんっ!という程、牡蠣を堪能し
高崎駅前のバーへ行く。
夫は終始発表会の話は触れなかったのですが
ここで私は敗因の原因を言う。
「リハーサルには出るべきだった」
また
「ベートーベンも
もうちょっとこっちの事も考えて作曲して欲しかった」
と、トンチンカン事まで言い始めた。
要するに悔しい。
「悔しい、悔しい」と連呼していたら
夫が
「俺もさ、将棋で負けて悔しい思いをするだろ?
でもさ、その悔しさはサッカーで勝ってもはらせないんだよね」
そうだな。
将棋で負けて悔しかったら将棋で勝たなきゃ意味がない。
確かに。ピアノの実力をつけるしかないのよね。
何事に対しても自信満々で物事をこなす私を知っている夫は
正直、発表会での私を見て驚いたらしい。
意気消沈する私を慰めるには
何が一番有効か熟知している夫は
「何か買ってあげようか?」
心の中でニヤリとほくそ笑む私。
「××の時計が欲しい」
一瞬凍りつく彼。
「でもいいよ…高いもん。」
その話はそこで終わりましたが
自宅に戻ると夫はネットでその時計について調べておりました。
再度ニヤリとほくそ笑む私。
ご多分にもれず女房に甘いのが彼の欠点。
スタッフの関に
「先生って、ほ〜んと、転んでもタダでは起きないよねぇ…」と言われる。
テヘヘ♬
男性の皆様…女性の涙には気をつけましょう。
特にその女性が私の様に腹黒い場合は要注意です!
発表会
日曜日はピアノの発表会でございました。
まぁ…ここまでくれば命をとられるわけじゃなし
どうにかなるでしょう…という気持ちもあるが
緊張して落ち着かない。
矯正で来ていたゆう子先生は
「大丈夫よ。むしろそういった緊張感っていいじゃない?」とせせら笑う
もう…あんたは他人事に関しては沈着冷静だよなーーーっ!
こっちはそれどころではない。かなりナーバスになっている。
夫も
「『北の国から』のDVD全巻、ヤフオクで買ったんだよ。
いくらだと思う〜?」と、嬉しそう。
確かに「北の国から」はいい作品ですよ。
でも今はそんな事はどうでもいいっ!
「なぁ…いくらだと思う〜?」と、夫。
めんどくせぇなぁ…。
「2万位?」と私。
すると彼は勝ち誇った様に「9800円っ!」
あっそ。
もう…こっちはそれどころじゃなんだってばっ!
そして
発表会の現地に向かう車の中で
本来であれば課題曲を聴き込んでいけばいいのでしょうが
所詮、スピーカから流れるそれらはプロの演奏ですからね…
「やっぱりあそこはこう弾くべきか…」なんていう迷いが生じても困る…ので
ここはやっぱり気分を高揚させるためにセレクトした曲が
QUEENの「We are the champions」でしょ。
車の中で「うぃ〜あ〜ざ、ちゃ〜んぴおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんず…おぶざわーーーーーーー」と熱唱し
「私はチャンピオン!!!大丈夫!!!」と自己暗示する。
この日は
午前は仕事がありましたので
私はリハーサルが出来なかったんですよ。
ぶっつけ本番。
現地に着くと、すでに発表会は始まっていた。
私は19番目。
プログラムの序盤は小さいお子さんがメイン。
とても可愛らしい…けど
「可愛いわねぇ…」なんて言っている余裕がない。
緊張で手が震える。
いよいよ私の順番が近づいてくる。
足も震えてきた。
逃げ出したい。
そしてプログラムの18番目。
27歳の男性、Nさんのが弾く曲は
「ソナタ 悲愴 第二楽章」。
私はヘッドホンをしてiPodのスイッチを入れる。
フルボリュームで聴いた曲はBrian SetzerとBlack Sabbath。
要するに
Nさんの曲を聴きたくなかったんですよ…自信喪失するから。
観ない。聴かない。
iPodから流れるオジーの歌声を聴きながら現実逃避。
ツイッターでもつぶやいてみたりする。
Nさんの演奏終了。
そしていよいよ私の番。
iPodを切る。
「プログラム19番。五井 チヒロさん。
ソナタ 14番 月光」というアナウンス。
キャーッ!オジー助けてーっ!
無理無理無理無理―――――――――っ!
「もし間違ってもさ、知らん顔して弾くのよ。
演奏が途中で止まらなければ大丈夫」という妹の利江の言葉が脳裏をよぎる。
舞台袖で羽織っていたコートを脱ぎ
大きく深呼吸して舞台に上がる。
一礼。
ピアノの前の椅子に座り
椅子の高さを調節したり
足下のペダルの位置を確認する。
この一連の作業の間に気持ちを落ち着かせるのがコツらしい。
ポジションが決まると正面を見据える。
そこだけに集中して「ここはいつもの私の部屋。他は誰もいない」と言い聞かせる。
その時、患者さんでもあり大学の後輩でもあるまりあちゃんからの
「先生のいつもの『上から目線』で頑張って下さい!」というメールを思い出した。
そうだ。上から目線でいけばいいんだ!
「つかねー、私を誰だと思っているのよ!第二のフジコ・へミングよ!
その演奏を聴けるんだから、感謝してもらいたいぐらいよ。
耳をかっぽじって、よく聴いておきなさいよっ!」なんて考えてみたりもした。
自信過剰もここまでくると、我ながら感心する。
ゆっくりと深呼吸して鍵盤に手を置き…弾き始めた。
小さい頃に嫌で嫌でたまらなかったピアノを
再開したのが今年の8月。
夜遊びも行きたくなくなる程
楽しいピアノの練習。
まぁ…我ながら頑張って練習してきたと思う。
最後のレッスンでも先生から褒められた。
当日、自宅で最後に弾いたそれは
我ながら完璧だった。
しかし…結果として最悪だったんですよ!!!!
最悪っ!
緊張感はなかった。
ところが手と足が驚く程震える。
よく「頭の中が真っ白になる」という話は聞くが
ものすごく冷静だったと思う。
頭は冷静なのに手が震えるから鍵盤を押せない。
身体が思う様に動かない。苛つく。
そして演奏は
途中で止まってしまった。
気を取り直して弾く…けどもう…惨憺たるものでした。
頭の中で考えていたのは
「なんでこんなに震えるんだよ…もう…嫌。
抗痙攣薬とか飲んだ方がいいのかしら…はやく弾き終えたいなぁ…。
心筋梗塞のふりをして倒れちゃおうかな。」
という感じ。
あの経験は始めてですね。
それでも何とか弾き終えて一礼。
すると観に来ていてくれた義母と叔母から
ものすごーーーーーーい豪華絢爛な花束をもらう。
惨憺たる結果だっただけに
その大きな二つの花束をもらい
とても嬉しかったけれど
自分が全く弾けなかかった事の悔しさで
顔から火が出る程恥ずかしかった。
発表会が終わり
夫はだまって頭をなでてくれた。
義母と叔母は
「まぁ…初舞台だったんだからしょうがないわよ。
でもよかったわよ。一番奇麗だったわよ」と、慰めてくれた。
「一番奇麗」はあまりにも身びいきだし
全く関係ないと思ったが
身内の温かい言葉に涙が出そうになった。
その後、関係者に連絡をして結果報告。
「でもね、とにかく最後まで弾けただけでも偉いわよ」と妹の利江。
「先生の指は鍵盤は弾けなかったかもしれないけれど
患者さんの歯を治せる指なんですよ。
他の人は鍵盤は弾けるかもしれませんけど、歯は治せませんからね。
気にする事ないですよ」とスタッフのナカジ。
ナカジ…ありがとう…大好き。
「先生はさ、いつも完璧だからさ
“挫折”した事がないでしょ。
だから今回はいい経験をしたんじゃないの?
いや…むしろ先生にとっていい薬になったと思うよ」とスタッフの関。
これには苦笑い。
「いい薬」か…。
関は本当にいい事を言う。
家に戻りワインを飲む。
考えてみると関の言う通り
今までこんなに大失敗をしたとか
悔しい思いはした事がなかったかもしれない。
自分が情けなくて
夫の胸をかりて号泣した。
夫は発表会の事は何も言わず
「朝から何も食べてないんでしょ?飯でもいくか?」と彼。
「うん」と私。
さて…惨憺たる結果となったピアノの発表会ですが
もちろん来年もリベンジで頑張りますよ。
こんな非日常な経験は滅多に出来るものではない。
明日からまたピアノのレッスンは頑張ります。
ピアノ大好き!!!