昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

時々、うちのクリニックの駐車場に
麦わら帽子に割烹着、黒い長靴そして軍手という重装備で
うずくまって草むしりをしている老婆を見かける。

うちの母ですな。

真夏ですと
流石に脱水症状でも起こると大変ですから
診療の合間を見て
冷えたペットボトルのお茶を持って行くと

「大丈夫よ。水筒にお茶を入れてきたから」と、母。

お茶を買うという事自体が
母は抵抗があるのでしょうな。

水筒に煮出した麦茶を持参でやってくる。

ゲリラ的（？）に何の前触れもなく
突然、草むしりに来て
駐車場のゴミを拾い
サッと帰る。

肝心の私はのんきなもので

「あ…そういえば、駐車場がキレイになっているなぁ…。
弘子さん（母）がきたのかしらん…」と、
ゴロゴロと横になり
鼻をホジホジしながら
後になって気づく程度。

本当に親不孝な娘でございます。


数年前に弟が開業してからは
そちらの方の草むしりや掃除もある様で
うちに来てくれる回数が減った。

ところが
スタッフの吉田ちゃんが
休み返上で時々草むしりをやってくれるので
助かっております。

ですから
最近は、母、吉田ちゃんというローテーションで
キレイにしてくれている様だ。（←他人事かよっ？）

さて…去年の年末のある日
朝から、母でもなく吉田ちゃんでもない誰かが
草むしりをしていた。

「あれ？誰だろう…」と、よく見ると
吉田ちゃんの長男ですね。

高校２年生の彼が
朝から晩までやってくれていたようだ。

「今時の子なのに偉いわねぇ…」と、
待合室にいる患者さんも驚いていた。

そしてこのお正月休みの朝の事。

長めの犬の散歩から戻ると
母が来ていて駐車場の掃除をしていた。

あけましておめでとうございます…という類の挨拶をして
母に
「チコちゃん、年末に来られなかったから
気になっていたんだけど
随分とキレイになっているわねぇ…」と、褒められた。

もうすぐ50歳になるのに
母に褒められるのは気持ちがいい…。

吉田ちゃんの長男のゆう君の手柄を
自分のものにしちゃおうかな？と、
ふと考えたが（←本当に大人気ない

スタッフの息子さんがね…と、話をすると

「有り難いねぇ…。スタッフさんに感謝しないとね」と、
弘子さんは満足そうでした。

治療に来る以外は
あまり顔を合わせる機会が少ない母ですが
ちょっとした立ち話でしたが
何だか気持ちが良かった。

部屋に戻り
「これからは母も歳だし
私が毎日、草むしりをしよう！」と、今年の抱負を決めた。



まぁ…この「今年の抱負」ってのが
続いたためしがねぇんですけどね…。