昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
お膳
昨日の昼休みはDVDの整理をしておりました。
永久保存版とか
大好きな監督、役者さんが出ているとか
特別な物を除いて
ネットでもカンタンに観られるしな…という物は処分。
一枚、一枚、手にとり
やれ「キープ」だの
やれ「処分」だのと区分けしておりました。
そして「ラストザムライ」が目に付いた。
通常は処分ですな。
この映画について…。
なぜ私が「ラストザムライ」を途中で消して最後まで観ずに
おまけに渡辺謙と真田広之が大嫌いになってしまったか…。
監督のエドワード・ズイック氏の当時のコメント
「当時の日本の美しい文化や風習に
細部までこだわった」というコメントがあったわけですよ。
ほぉう…なるほどね。
クランクインして撮影中の情報が入り
桜の花びらが舞うシーンにこだわった…とか
まぁ…色々と細部の表現にご苦労されているらしいじゃないの…と、
ちょっと耳にするとね…。
「日本という国をそこまで探求して下さって
ありがとうございますねぇ…」と
誰に頼まれたわけでもないのに
TV画面の向こうにいる監督に、お礼を言ってみたりしてね。
「ズイックさんねぇ…。
うちの渡辺謙と真田広之がお世話になりますけど
どうぞよろしくお願いいたしますねぇ…。
えぇ…。手前味噌で恐縮ですがね…
親の私が言うのも何ですか(?…。親…?)
あの2人はもう役者バカと申しますか
役者が大好きでございましてね…。」と
我が子を見送る母親の様な気持ちで
「日本代表としてハリウッドで頑張ってこい!」と、
送り出したわけですよ。
さて…DVDをわざわざ買って
観始めてしばし…。
見逃せないシーンがあった。
(この事は既にブログで100万回は言ってますが)
トム・クルーズが
小雪にご飯をよそってもらって
“ちゃぶ台”で食事をしていたんですな。
激ギレ!!!!!
ちゃぶ台があったら
ひっくり返すところでしたね。
明治初頭という時代背景。
『ちゃぶ台でご飯を食べる習慣はございません!!!キィーーーッ!!!』
お膳ですよ!お膳!!
さすがに監督もここまでは気がつかなかったのでしょうな。
それは仕方ないと思う。
外国の方ですからね。
知らなかったのでしょうね。
ただ「日本の文化風習の再現に細部までこだわった」のなら…
ここは!
現場にいた
渡辺謙なり真田広之が一言
「監督…、この時代は“ちゃぶ台”で食事をする習慣はありませんから
お膳にしたらどうですか?」と
何で言わなかったのかな…と、イライラした。
私だったらおそらく外国人の方はお膳なんてご存知ないから
iPhoneでググって監督に見せますね。
監督にしても
「え?そうなの?
それは知らなかったよ…。
ありがとねぇ…。」と、慌てて美術監督に指示したと思うんですよ。
渡辺謙がラストザムライでアカデミー賞にノミネートされて
レッドカーペットの上で満面の笑みを浮かべていた時も
「チッ…。
ちゃぶ台とお膳の区別もつかないのに…。
ちゃぶ台ヤロウ…」と、苦々しい気持ちがしました。
もう…何と申しますか…
変なトコロに病的に神経質なのはわかっているのですが
これはどうしても譲れませんね…父親譲りなんでね。
重要なんですよ…ここ。
後日、実家に遊びに行った時に
「あ…俺もラストザムライは観たぞ」と、父が言ったので
「ちゃぶ台事件」の話をしたら
「え?!それは気がつかなかった…。」と、父。
「えーーーーっ?!
ちーさん(父の呼び名)!
私が小さい頃から
『映画を観る時の注意点』として
ちーさんが私に教育したんじゃないの!!!
それを気がつかなかった…なんて…。
いよいよ、ちーさんにも
ヤキがまわったわね」と、言ったら
「そうだな…。
お膳だよな…。うかつだった…」と、ショックを受けておりましたが
「チヒロは偉いな。よく気がついたな。」と
「お前もとうとう俺を越したな…」的な
親として感無量〜という表情で私を眺めて
私もそれが父親に認められた様でちょっと嬉しくて
互いの間で心地よい沈黙がありましたね。
「アホラし…。
どうでもいいだろ…そんな事。」という
夫の発言でその雰囲気が台無しになりましたがね。
そんな思い出が脳裏をよぎり
ラストザムライは捨てずにキープする事にいたしました。
「チヒロは偉いな。」と、父に言われるのが
本当に嬉しくて
何事も「父親に褒めてもらいたい」というのが
私の原動力でしたから
時々はあえてのラストザムライのちゃぶ台のシーンを
観たいな…なんて思いました。