昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
イメージ
ファッション、アート好きの方や
物造りが好きな方には
是非観ておいて欲しい作品。
2012年にHBOが製作した
『IN VOGUE THE EDITOR’S EYE』
という雑誌『ヴォーグ』米版の舞台裏と申しますか
カリスマエディターが続々と登場して
非常に面白いドキュメンタリー作品です。
これはAmazonでDVDを買えたり
ネットで観たり出来ますけど
日本語字幕がないんですよ。
なので
クリニックのモニターでは流せないなぁ…と、思っていたら
WOWOWで字幕付きをやってくれまして
ダビングいたしました。
VOGUE関連の映像は
女性の患者さんに評判がいい。
非常に興味深かったのは
そうそうたる面々のカリスマファッションエディターに
「ファッションエディターという仕事はどんな仕事ですか?」という問いかけに
皆、絶句…。
一言では言い表せないのでしょうね。
「イメージを形にすることかしらね」と、
仰っておられた方がおりましたが
なるほどなぁ…と、思いました。
このイメージを形にするには
プロのモデルや被写体
そして的確にそれを映し出すカメラマン
諸々のスタッフが
そのイメージを察知して
同じ方向に向かっていくから
芸術品という作品が出来上がるわけですよね。
イメージを共有できる環境というのは
仕事をする上ではとても重要だと思うのですな。
VOGUEから
いきなり田舎のただのオバチャンの私の話に変わって
大変申し訳ないのですがね…
知人の歯科医師の先生から
私がHPのリニューアルのデザインを頼まれたわけですよ。
まぁ…歯科医院のHPですから
VOGUEじゃないのでね。
あまりアートに偏りすぎていても
肝心の情報が伝わらない場合もございますからね。
知人の建築家で自分のオフィスも持つ彼の会社のHPは
彼が撮りだめた写真や
彼の好きな絵画なんかが満載で
パッと見た印象は
一体全体何の会社かわかりませんからね。
徹底アート。
しかし彼には
「僕のイメージに共感してくださらない方とは
お仕事をしません」と、最初に線引きしているんでしょうね。
ですから彼は
家を建てたいけど
どんな家がいいか具体的にイメージがわかない…という方で
彼のHPが何となく好き…という方を
顧客にしているようですね。
建築費も比較的高い。
それもひとつ…ありだと思います。
ただ医療機関のHPに限っては
ある程度、幅広い方に受け入れて頂かなければいけないわけで
皆さんは患ってしまって病院に行くわけですから
パッと見て
どんな病院なのか…情報が伝わらないと困る。
その辺をふまえて
情報がわかりやすいもので
それでいて既存にないもの…と
私なりにイメージをつくり
HPの製作会社の方に
伝えたわけです。
ところが仕上がってきたものを見て
愕然としたわけですよ。
全くイメージが伝わっていない。
最初はね…
「あぁ…私の言葉が足りなかった…」と、思い直し
参考画像をどんどんメールで送った。
しかし出来上がってくるそれは
むしろ悪化の一方をたどる。
結果的には
「もう画像も私が探してきますし
文章も作ります」と、なった。
決してあちらの会社の方が
センスが悪いわけではなく
私とはイメージの共有が出来ないのですね。
私は相当のストレスを感じましたけど
あちらの会社の方もやりにくいでしょうね。
まったく共感できる部分がないのに
一つのものを一緒に造るわけですからね。
ウンザリした。
余談ですが
そのHPのイメージを
こちらのブログでお馴染みのアベッチに軽く伝えたら
昼休みにお遊びでササッと形にしてくれて
メールで送ってくれた。
私が考えていたそれよりも
更にグレードアップしておりまして
「そー!そーなのよ!!」
嬉しくて泣きそうになりましたね。
共有できるんですな。
ただ私の本業は歯医者ですからね。
例えば、審美歯科の領域と申しますか
歯を削って型取りをして石膏を流した物に
技工士の方に被せ物を作ってもらう。
この時に歯の基本的な色調や形態の他に
口答でイメージを伝える。
この辺の阿吽の呼吸がいいと
いい物が出来るんですねぇ…。
例えば白い歯でもちょっと青みを入れて
透明度をあげると
すごく若々しい印象になったりとかね。
その辺を
イメージで伝えて
ドンピシャの物が出来上がってきた時の快感はたまりませんね。
この仕事は楽しくてやめられないなぁ…と、思う瞬間ですし
形にしてくださる技工士さん達にも感謝。
有り難い事でございますね。