風刺画

1991年公開の映画「結婚記念日」は
ウッディ・アレンとペッド・ミドラーが
夫婦役として主演した作品で
私のお気に入りのひとつ。

17年目の結婚記念日の
ホームパーティーの準備の為に
夫婦はショッピングモールに行くわけですが
そこでひょんな事から
互いの浮気を告白し合い
ちょっとした騒動になるけれども
最後は仲直りするというストーリー。

出演者は2人。
撮影場所は殆どショッピングモール内というもの。

この類いの映画は
出演者に相当実力があって
脚本が面白くないとダメですからね。

20年以上経った現在も
時々観ても笑えるので
賛否両論あるものの
私は好きな作品なんですね。

ショッピングモールというのは
今でこそ、日本のあちこちにありますけれども
これはアメリカ発祥の文化ですよね。
1920年代にカンサスシティが発祥と言われている。

そこにいけば
買い物も出来てお食事も出来て映画も観られてと
家族が一日遊べちゃうというショッピングモール。

さてこの結婚記念日ですが
ある1シーンに目が釘付けになったので
一時停止して色々と考えさせられたので
その事について少し…。

ショッピングモールの混雑する駐車場待ちのシーン。

主人公夫婦の後ろに位置する
1台のベンツが映し出される。

そのままパーッと後ろにカメラは流れていくわけです。

そのベンツのシーンで一時停止。

車に乗っているのは4人のスーツ姿の日本人ビジネスマン。

大きな携帯電話で
「田中です。どうもどうも」と
喋っている台詞あり。

豪華なベンツに乗っている日本人ビジネスマンという事は
お仕事で来ているわけですよねぇ。

91年公開の映画という時代拝見を考えると
日本のバブル経済が崩壊し始めた頃とはいえ
アメリカ人の目からは
ベンツに乗ってアメリカのビジネス街を行き来する
日本人ビジネスマンのイメージは
強く残っている時代。

さてここで思うに…
日本人ビジネスマン4人が
スーツ姿で
LA郊外のショッピングモールにいるという設定はおかしいでしょう?!!
…と、キレる。

おそらく商社マンか何かですよねぇ…。

4人でショッピングモールに来て
何をするんでしょうねぇ…。

必ずアメリカのショッピングモールにはあるという
ヒューゴ・ボスあたりのスーツをみたり
ピザハットでピザでも食べるんでしょうかねぇ。

そんなわけないっ!
絶対にそんな風景…ないですってば!と、再度キレる。

こ〜ゆ〜細かい事…
気になっちゃうんだなぁ…。

そもそもこの20年間
その事に気づかなかった己にも腹が立つ。

「多分この瞬間、
この事でイライラしているのは
世界中で私だけだろうなぁ…」なんて考えてみたりする。

悶々としながらお風呂に入り
ふと気がついた。

あの演出は…「風刺画だ!」

(ちなみに
風刺: 社会や人物の欠点・罪悪を遠回しに批判すること。またその批判を、嘲笑的に表現すること。
風刺画:社会や人物の風刺を目的とした絵画。)

バブル期にアメリカにドドーッと押し寄せた
日本経済・文化に対する風刺なのでは?と、思い
「なるほどぉ…。調べてみよう」と、
『ほぼ日手帳』を取り出し

「結婚記念日・監督“ポール・マザースキー”に
問い合わせメールをする事」と記入する。

彼とはもちろん知り合いじゃないですがね。

またほぼ日手帳のTO DO リストが増えたな…と
ニンマリとする。

こういった1人遊びが嫌いではない私。

「要するにさぁ…、先生はヒマなんだよね」と
スタッフの関にせせら笑われるでしょうな。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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