ニコッ

金曜日の昼休みは
恒例のタケのクリニック建設の定例会議。

外壁材も一部が貼られはじめ
着々と工事は進んでいる。




石とタイルの白×黒のコントラストがいい。




「早く外観の全体像がみたいなぁ…」と、ほくそ笑む。

定例会議では
色々な業者さんとの個別で打ち合わせをしていくわけですが
今まではどちらかといえば
ある程度、アットホームな雰囲気で
業者さんの専門的なアドバイスを頂戴しながらも
最終的なイメージは
私自身の頭の中に確固たる物がありましたから
結果的には私の好きな様に
パッパと進められてきたわけです。

しかし…
今日の会議で
初めてお目にかかった建具の親方は
一筋縄ではいかなかった。

所謂、THE職人!!!という感じの方で
私はどちらかといえばむしろ好きなタイプの
頑固一徹という印象の方。

いつものチコ節の冗談も
言えない様な雰囲気。

色々と建具の説明してくださるわけですが
専門用語のオンパレードで
そこそこは勉強しているつもりでも
ついていくのに必死でございました。





自宅部分の和室の建具のプランを
持ってきて下さったわけですが
パッと拝見して
もう少し、こう…ひと味加えたくなったわですな。

私は
「これ…格子の数を更に細かくすると
カッコイイで…す…よ…ね?」と、親方の顔色を伺う。

責任者のかず君も
「あぁ…、そうだなぁ…。
そっちの方がかっこいいから
これを更に4等分にして細かくしてくださいよ」と、言った。

親方の顔色が変わった。

………あれ?
………ヤバイ事言っちゃった?

親方はちょっと不機嫌な顔になり
「出来なくはねぇけど…
4等分にすると材料も結構かかるからなぁ…。
手間もかかっちまうし
料金も今までと同じってわけにはいかねぇわけだから…」

そこから
かず君と親方との微妙な
せめぎ合いが始まったわけですよ。

とにかく既存にあるデザインではない物にしたいけれども
予算をオーバーするわけにもいかないし
かといって
業者さんに安く仕事をさせて
ご迷惑をかけるわけにもいかない。

しばらく図面を眺めていて
ふと思うトコロがあり
代案を言ってみた。

京都の母の実家の
町家風の格子戸を思い出したわけですね。

すると親方は
初めてニコッとされて
「それならいいね。」

「予算オーバーしませんか?」と、伺うと
大丈夫だという。

よかったぁ…。

何しろ親方の「ニコッ」が嬉しかった。

本当に建築は産みの苦しみがありますけれども
心地いい達成感がありますね。

楽しい打ち合わせでした。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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