間抜け

「ビートたけし 間抜けの構造」(ビートたけし著 新潮社)を
矯正のゆう子先生に勧められて読んだ。

基本的に
本を買う時には好きな作家、もしくは興味深いタイトルだったり等
選ぶ基準は様々あると思うのですが…
私は人様に勧められた本を買う場合
amazonで実際に読んだ人のレビューをチェックする。

厳密に言うと
高い評価をつけているレビューではなく
低い評価をつけているレビューをチェックする事にしている。

今回、低いレビューの中で
ある方のレビューが気になった。

やはり世界の北野ですから
彼の実績等は賞賛しつつ
この本に関しては
「(一部省略)とはいえね…
全体的に密度の低い本であります。
正直申し上げて
つらーっと、読めてしまう感じ。」というコメントがあった。

彼(彼女?)を仮にPさんとしましょう。
Pさんは
この本の定価680円を月見そば2杯分と比べ
「月見そばが好きな方はそちらを選んだ方がいいかもしれません」
と、書き込みされていた。

さて
筆者も言っている様に
間抜け…というのは
間が抜けていることなわけで
ではこの『間』というのは何なのか。

これは日本独特の物ではないか…と、筆者は言う。

英語で訳してしまうと
微妙なニュアンスが抜け落ちてしまう。

もともと
居間
床の間
間尺
間合い…等
『間』というのは非常に多く日本語で使われている。

私はこの本を読んで
Pさんのレビューの様に
「つらーっと読めてしまう」というトコロには同感。

昼休みに読んでしまいましたからね。

しかし筆者は
間…という、非常に説明が難しい言葉を
お笑い、野球、映画、落語に例えて
カンタンに説明しているだけで
私はその行間にある鋭い指摘に
非常に共感を覚えた。

間抜け…間が悪い…、
要するに空気が読めない…という事なんでしょうかねぇ…。

人とのコミニュケーションをとる上で
この「間」というのは
とても重要な事だと思うんですよね。


先日、様々な歯科関係業者さんが集まって
打ち合わせをしていた。

私の打ち合わせの特徴は
和気あいあいと冗談を交えながら
打ち合わせを進行していく。

その会話の中で
「コンチ」という話題が出ていた。
コンチというのは
歯の根の治療の事なのですが
そのコンチの話を皆でしていた時に
歯科業界とは関係の無い業種の営業マンの人が
初めて聞く「コンチ」という単語に
何を思ったか
突然
「コンチ…?逆から読むと…」と、言ったわけです。

全員、ドン引きでしたね…。

その営業マンの人も悪気は無く
私のいつもの冗談まじりの打ち合わせですから
彼も冗談のつもりで言ったのでしょう。

しかし
全員歯科業界関係者ですから
コンチという言葉は毎日使う言葉で
逆から読むと…なんて
考えた事もないですし
あまりにも低レベル。

小学生じゃないんだから。

これが「間抜け」だと思うんです。

しかし
おかれているシュチュエーションの全体像の中から
瞬間的に、この「間」「間合い」というものを
上手にこなせる方というのは案外少ない。

以前も書き込み致しましたが
「先生もまだまだお若いですね」と発言した営業マンも
悪気はないのでしょうが
私が100歳ならいいですけどね。

「間抜け」な発言だと思うんです。

ある親戚の法事の後の食事会で
私の前に座った遠縁の伯父が
「ハゲには色々種類があってさ…
カッパハゲ、バーコードハゲ…」と
延々と大声で話し始めたわけですね。

本人には悪気はない。
冗談で私を笑わせようと思ったのでしょう。

しかし私は凍りついたわけです。

だってその親族は
全員その方以外頭髪がないんですから…。

これも「間抜け」。

私はこの本は
レビューのPさんが仰る通り
つらーっと読めてしまうものですが
人とのコミニュケーションの方法を知る上で
いい作品だと思いました。

むしろ
「月見そばが好きな方はそちらを選んだ方がいい」と言った
Pさんそのものが
筆者の言うトコロの
「間抜け」なんじゃないかなぁ…と。

しかしこれは
この「間」を上手にとれる人…というのは
生まれ持ったものや
経験から得るものであって
この本を読んだだけで身に付くものではないけれども
筆者が言う様に
自分を客観視する事がとても重要で
常に客観視しよう…と、いう心がけは必要かもしれませんね。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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