昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
岡本かの子
岡本かの子の「老妓抄」が読みたくなり
昨日の昼休みは恒例の映画観賞はやめて
本を読んでみた。
短編小説なのですぐよめる。
やっぱりよかった…。
特にもうすぐ誕生日をむかえ
いわゆる「アラフォー」世代と
さよならする現在の私には
主人公の潔さと虚無感が
何となく共感出来た作品。
さて…この作者の岡本かの子といえば
彼女の小説よりも
その私生活がドラマチックな女性で
瀬戸内晴美をはじめとする
何人かの作家が
彼女の生涯を題材に
本を出版していますよね。
彼女は1893年に東京の港区で生まれ
当時の人気漫画家の岡本一平と結婚し
あの天才芸術家の岡本太郎を産んだ女性。
当時はまだ着物に日本髪を結っている女性が多い中
流行の最先端だったおかっぱ頭で
派手な洋装にバッチリメークで銀座をカッポする姿は
人が振り返る程だったという。
ウィキペディアで彼女を検索したら
「私生活では奇妙な夫婦生活を送った事で知られる」とある。
彼女の「奇妙な夫婦生活」というのは
ご存知の方も多いでしょうが
彼女は岡本一平という夫(ものすごいハンサム!!!)が
いたわけですか
当時早稲田大学に通う堀切茂雄という
男性に恋をする。
ここからが面白いのですが
まぁ…簡単にまとめてしまえば
夫の一平が
茂雄君の所に足を運び
「うちの妻が君に恋をしているから
我々夫婦と一緒に暮らしてくれないか」という
オファーをするわけですよ。
そして3人の生活がはじまるわけです。
しかし茂雄が肺の病で他界すると
今度はかの子は慶応病院の医師、新田亀三と恋に落ち
一平の仲介の元
またまた3人で生活する。
そして今度は垣松安夫(後の島根県知事)も加わり
夫と2人の恋人との生活がはじまる。
晩年、かの子は40代後半に病に倒れ
寝たきり生活になるわけですが
夫の一平と恋人の安夫は
甲斐甲斐しく
寝たきりのかの子の下の世話までするんですよね…。
そして48歳の時、かの子は他界する。
自分の夫と
若い恋人に看取られながら
この世を去る…。
まぁ…女冥利につきる…っちゃあ、つきますが
私だったら絶対に無理。
こう見えても
案外、気を使いますからねぇ…。
夫、そして恋人のA君、B君との生活でしょう?
例えばですよ
皆で夕ご飯を食べて
団らんの後
さて寝ますか…という段階の時に
「今日はB君の部屋で寝よう」と決めるとする。
となると
私は夫、A君に対して
ものすごく気を使って
「いやぁ…今日も皆様、一日ご苦労様でした…。」
なんて言って話を切り出し
「今夜はB君の部屋で寝ようと思うのですが…」と
いちいち弁解している自分が容易に想像出来る。
いやぁ…面倒でしょ。
それに
自分自身の時間も欲しいですからね。
ローテーションにしようかな…。
いっその事、シフトを作るか…
クリニックのスタッフのシフト表と一緒だもんな…なんて考えただけで
ちっともロマンチックじゃないし
なんだか業務じみてくる。
岡本かの子の様な才能のある女性と
そんな彼女を慕う男性達…。
私の様な何の才能もない
ただのオバサンには
全く理解できない世界ですなぁ…。
だからこそ興味深いのかもしれません。
瀬戸内晴美著書の
「かの子撩乱」は
とても面白いですよ♬