昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
天にはいた唾
先日、夫と焼き肉屋さんで食事をしていた時の事。
隣のテーブルのカップルの話が筒抜けで
ついつい聞き入ってしまった話。
女性の方はおそらく60代。
水色のアイシャドーをして
赤い口紅をぬったバッチリメイク。
同じく赤いマニキュアをされているのですが
爪の先が一部剥げていて
髪の毛は金髪に染めている。
いわゆる海千山千と申しますか
色々と今までご苦労なさってきたんだなぁ…と思わせるタイプの女性。
仮にK子さんとしておこう。
K子さんは
召し上がっているお肉の繊維が歯にはさまるようで
終始、爪楊枝をつかっていたのが
私的には気になった。
お相手の男性のお姿はつい立てがあって見えない。
さて
どうもこの二人…もめているようなんですよ。
とにかくK子さんの声が大きい。
「あんたね…そのうち刺されるよ!」
えぇっ?!刺されるって?!
ついつい耳がダンボになる。
「まったくさ…先月だって200万稼いだとか言ってるけど
こっちには一銭も入れやしないじゃないかっ!
明細を見せてみなよっ!」
「あんなブスな女に入れあげてさっ!
あんな女っ!若いだけじゃないかっ!」
うわぁ…。女性問題ね…。
「ぶっ殺してやりたいよっ!
冗談じゃないってんだよっ!」
えぇっ?!
もう、こちらのテーブルも
肉を焼いている場合ではない。
我々だけではなく
K子さん達のテーブルの
半径2メートル以内のすべてのテーブルのお客さん達は
固唾をのんで、事の成り行きを聞いていたと思う。
しかしこのお二人…
どうみてもご夫婦には思えない。
さらに耳がダンボになる。
色々聞いていくに
全体像がみえてきた。(←ドラマの『家政婦は見た』状態)
要するに
K子さんは奥様のいる男性とお付き合いをしているようで
その関係は長いようだ。
その男性が最近
飲み屋さんで働く若い女性に入れあげて
かなりの金額を使っているようで
K子さんはその若い女性のお店にのりこんだらしい。
まぁ…とてもじゃないけど
公の場では書き込めないような単語を駆使して
男性に罵声をあびせている。
男性の方は
「うん」とか「仕方が無いだろ」と
蚊の鳴く様な声でしどろもどろしている。
しかしK子さんを観察していて興味深かったのは
相手の男性を罵りながらも
かいがいしく焼けたお肉を相手の小皿にとってあげたり
ビールをついであげたりしているのよね。
「もう…あんたとは金輪際、縁を切らせてもらう」とか言っているけど
K子さんは別れるつもりはないんだろうなぁ…と、思った。
K子さん…そんなに怒っても仕方が無いでしょ。
ご自分も同じ事をしているわけですから。
「天に向かってはいた唾は、自分にふりかかってくるんだよ」という
母の言葉を思い出した。