昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
NHKで
絵画はあまり詳しくないのですが
「眠るジプシー女」や「夢」で有名な
ルソーの絵は好き。
先日NHKでルソーの特集をやっていて
ちょっと面白い事に気がついたのでご報告。
彼の作品は彼の存命中は残念ながら世間的にあまり評価されなかったのは有名。
1886年にアンデパンダン展に出展された「カーニバルの夜」という絵があり
月明かりの下を歩くピエロが描かれていて
いかにもルソーらしく幻想的で素晴らしい。
しかし当時の新聞記事の彼の絵に対する評価が本当に辛らつ。
「ルソーの絵は
母親から害の無い絵の具をもらった6歳の子供が
筆の代わりに指を
パレットの代わりに舌を使って書いた落書きの様な物」
「ルソーの絵は一見中国の絵の様で原始的。
じっくりと鑑賞する価値が無い」
なにもそこまで言わなくても…と、失笑してしまいました。
このシニカルな表現はフランスは得意ですよねぇ…。
しかしちょいと気になるのが
「中国の絵」=「原始的」というのはいかがなものか。
私はブランド物が大好きですからね
伝統工芸に対するフランス人の職人魂みたいなものには
敬意をもっております。
フランス製のそれらはまさに一生物です。
ただねぇ…中国の絵=原始的という安易な上から目線が嫌。
銀座にある有名な某フランス料理のレストランに行った時も
気取った店員さんの対応がちょっと鼻についたな。
そもそも
16世紀にあの有名なイタリアの大富豪メディチ家の娘
カトリーヌ・ドメヂィシスがフランス王家に嫁いだ際
フランスに持ち込んだのが
フィレンツェの料理人と
ナイフとフォークで食べるという習慣。
それまでの中世フランスは
肉を手でわしづかみして食べていたわけですからね。
あんまりよそ様の国を原始的とは言って欲しくないなぁ…。
ちなみに…余談ですが
このカトリーヌ・ド・メディシスってヒトが
フランスに残した功績は色々あって
食後にデザートを食べる習慣も彼女が広めたし
イタリアの宮廷舞踊であったバレッティというのもフランスに広め
これが後のバレエになった…らしいっすよ。
ですからフランス料理=かしこまって
イタリア料理=カジュアルで…っていうイメージがあるけど
これ…逆でしょ。
我々のイメージするフランス料理の原型は
イタリア料理…それもトスカーナ地方の物なんですなぁ…。