散骨

俳優の仲代達也さんは10年程前奥様を亡くされ
現在も納骨をせず
彼女が好きだった日当たりのいい部屋に骨壷をおき
仲代氏は毎朝手を合わせ語り合うのだそうだ。

彼の気持ち…すごくよくわかる。

私も夫も一応、家のナントカ宗のお墓はあるけれど
将来、納骨されて
念仏を唱えて頂いたところで…正直ピンとこない。

「私はもともと信仰心はない。
キリスト教徒でも仏教信者でもありません。
けれど神様は信じます」という
私にとっての名言を残してくださったのは白洲正子さん。

彼女の夫である白洲次郎氏の遺言は
「葬式無用。戒名無用」ですからね。

私が常々思っている事をズバリ適格に表現してくださっている。

つくづくかっこいいご夫婦だと思います。

私は常日頃から夫に
「絶対に私より先に逝かないで」と、言っているのですが
彼に言わせると
「俺はお前に対する心労で、多分…早く逝くと思う。」だそうだ。

そうなると後の諸々の事は
私の弟のタケ夫婦にお願いしなければならないので
お嫁さんのあゆみちゃんに
「最後に残った私にいよいよお迎えがきたら
お葬式は一切いりません。
とっとと火葬場で焼いちゃってね。
その時BGMにCRY MR A RIVERでも流して頂戴。
Diana Krallのがいいわね。彼女の歌声好きだから。
その後は
私の骨と夫の骨と犬三匹の骨を一つの骨壷に入れて
よ〜くシャッフルして
沖縄の海か
銀座の高いビルの屋上から散骨してね。」と、お願いしてある。

「はい。しっかりと承りました」と、あゆみちゃん。可愛い。

「でもお姉さん…、銀座で散骨したら警察に捕まりませんかね…?」

そりゃぁ、捕まるに決まっているでしょう、あゆみちゃん!と一笑する私。

「捕まりますよ。捕まりますけど大丈夫。
それに関しては
弁護士の稲ちゃんがすぐに出してくれるから安心して。
彼にも頼んでおくからさ。」

「あ…そうですか。稲山さんにお願いできるなら安心ですね。
それでは頑張って散骨します」と、彼女。

さすが頼もしいお嫁さんである。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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