48時間 D

日曜日の午後
高崎駅から上りの新幹線に乗り込む。

さっき偶然にも幼なじみのえつこにばったり会ったしな…。

何だか今日は面白そうな事が起こりそうな予感…。

指定された席に座り
ホッとため息をつき横を見ると
通路をへだてた真横に…
あの格闘家の角田さんがいるではないですか!!!

え〜〜っ?!!
す、すごいっ!!

私は黒のサングラスをかけていたので
こちらの目の動きは全く相手に見えない事を幸いに
ジロジロとしっかり観察させて頂きました。

意外と小柄な方でしたが
あの筋肉ボディーは圧巻でした。

体脂肪率7.6%を自慢していた私も
さすがに「これは負けたな…」と、白旗を上げざるを得ない程…見事。

たぶん…5%はきっているな…。

サングラスの下から
嫉妬と羨望の眼差しでじっくりと拝ませていただいた。


そしてふと車内を見渡すと
私の乗った車両には我々を含めて7名の乗客。
体脂肪率一桁保有者が7人中2人。

って事はぁ?…約28%!

一桁保有者が28%の乗車率の車両って
現時点では日本全国探しても
この車両ぐらいだろうなぁ…すごい確立だよなぁ…などと
トンチンカンな事を考えながら
含み笑いをする。

そして残りの5名を睨みつけ
「いいですかぁ?!我々ふたりのおかげで
皆さんの平均体脂肪率を下げてるんですからねっ!!!
そのへんをちゃんとキモに命じておいてくださいよぉう!」(とは
実際には言えないけれど)言う。

しかしなんですなぁ…
袖すりあうのも何かの縁…。

出来ればですね
ここで彼と仲良くなってですね
色々とエクササイズの事やら食生活の事やら
聞きたい事が山ほどある。
そして願わくば月に一度程度の
パーソナルトレーナーとして
身体造りのご指導を頂戴したい。

そのためには何とか東京駅に着くまでの間に親交を深めなければ!

でもプライドだけは人一倍高い私ですから
出来ればあちらから話しかけて頂きたい。

しかし
「思わず我を忘れて声をかけたくなる程の美女」とは正反対の
「ただの派手な怪しいオバサン」のカテゴリーに分類される私に対して
どうやって声をかけさせるか…。

ここはひとつ
彼に「お?なかなかいい上腕二頭筋してるじゃん!身体造りしてんのかなぁ」というラインで、
興味を持ってもらうしかない。

そこで
まず不快そうに首を左右に振り「暑いなぁ…」と、聞こえよがしの独り言を言い
ジャケットを脱ぐ。

そしていちいち大げさに「ヨイショッ…」なんて言いながら
頭上の荷物棚にジャケットを入れる。

その時、腕に力を入れて上腕二頭筋をアピール。

ぶっちゃけ…かなり不自然な体勢ではあるが仕方が無い。

しかし私の自慢の上腕二頭筋も
稲山氏に頂戴したヒートテックの下に隠れてしまい
イマイチ迫力に欠ける…チクショウ…。

この様に、下手な芝居をいくつか演じてはみたものの
全く彼は私に無関心…。

逆に挙動不審に思われてしまったかもしれない。

そんな我々を乗せた新幹線は
結局東京駅に到着してしまった。

こんな事なら最初から
きちんとこちらから名刺でも渡して
話かけておけば良かったなぁ…と、反省。

でも…いいもんね。

そうやってシラ〜ッと呑気にしていられるのも今のうちだぜ…角田さんよぉう。
4月の体組成検査までには
絶対5%は切るかんなっ!…と、勝手に宣戦布告する私なのでした。

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48時間 C

日曜日の午前の診療を終え
慌てて身支度を整え
タクシーに飛び乗り高崎駅東口へ向かう。

駅前の交差点の赤信号で止まるタクシー。

何となくボ〜ッと外を見ていたら
ビックカメラから
長身で細身のモデルオーラを漂わせた女性が颯爽と出てきた。

「?!」慌てて私は車の窓を開け

「えつこぉぉぉ〜っ!」と叫ぶ。

名前を呼ばれた彼女はしばらくキョロキョロしていたが
私を見つけるとニッコリと笑い手を振った。

「これから東京なのよぉぉぉう」と私。

「行ってらっしゃぁぁぁぁい」と彼女。

互いに手を振って別れ
車のシートの背もたれに身を沈めながら苦笑いする私。

お互い何年も連絡をとっていなかったわけですが
実は数週間前にも彼女にバッタリ会ったんです。

昼休みに車で出かけ
赤信号で止まっていたらクラクションの音。

ふと右隣をみると
大きなBMWが泊まっていて運転手を見ると幼なじみのえつこ。

私は右側、彼女は左側の窓を開け
互いに「久しぶりねぇ〜」と声をかけあう。

「どこへ行くのぉ?」と、彼女。
「スーパーに買い物よ」と、私。

もしそこで信号が青になったらそれっきりだったかもしれませんが
その時に限ってずっと赤信号が続く。

え「チヒロ痩せたねぇ」
私「加圧やってんの」
え「そうなんだぁ(笑)
開業したんだってね!おめでとう!」
私「うん。何とかやってるよ。
そっちは?東京からちょくちょく帰って来てるの?」
え「月に二回くらい…」

まだ赤信号

私「今度お茶でもしようよ」
え「携帯番号変わってない?」
私「変わったのよ。メモある?」

バックからメモをさがす彼女。

まだ赤…。

私「080−××××―××××」
え「じゃぁ連絡するねぇ」
私「お願いねぇ」

ここでやっと青信号に変わり互いに手を振って別れたわけです。

そして数日後、電話で近況を報告しあい
楽しい時間を過ごす事ができました。

お互い、近所に住んでいるならまだしも
彼女は東京、私は前橋ですからね。
こんな短期間に二度バッタリ会うなんてちょっとびっくり。

偶然も二度重なると必然かなぁ…。

早速彼女に
「運命を感じねぇ?(^。^)y-.。o○」と、メールをすると

「感じなくっていいってばっ!(~_~;)」と、失笑メールを頂戴いたしました。

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48時間 B

IMG_2042.jpg
土曜日の夜は夫が泊まりで留守だったため
「うひひ…しめしめ…鬼のいぬまに…」と
先日ランチをご一緒させてもらった酒井ちゃんと
仕事の後、みのるのお店へ行ってきました。

仕事を終えて家に帰る途中
女性が一人でちょっと立ち寄れる行き着けのお店があると
助かるんですよね。

仕事の疲れをリセットできる。

そういったお店を知らないんです…という彼女の為に
みのるを紹介したわけです。

私も独身の頃
仕事を終えて「あぁ…今日は疲れたなぁ。大変な一日だったなぁ」なんて時は
よく彼のお店へフラっと寄ったものです。

そしてある日
私の隣の席でやはり一人で飲んでいたのが今の夫。

みのるがカウンター越しに我々二人をみて
「あ!お前ら似た様な職種だなぁ…。結婚しちゃえば?」

お互い初対面でしたから
夫はちょっと困惑気味。

そして私はというと…
32歳
独身
彼氏ナシ
結婚願望大という状態でしたから
眼光を鋭く光らせ

まじで?この人…独身なんだ…と、ほくそ笑み

「狙った獲物は…今回はっ!絶対にっ!逃がさないわよ…」と、固く心に誓い
彼に気がつかれないように
彼の周りに少しづつ
くもの巣をはりめぐらせ
その甲斐あって現在に至っております。

さて…結局、酒井ちゃんと私は
みのるのお店から戻ると我が家で
明け方まで『正しいクレンジングの方法』を酒井ちゃんに大特訓。

もちろん私の指導ですから
かなりのスパルタ。

でもですね…女性は美しくなる為には少々の事は我慢できる。

切に、彼女に更なる女っぷりの向上を期待している次第でございます。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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