一輪の…

2001年の作品「コレリ大尉のマンドリン」という映画があります。

ギリシャの小さい島の物語なんですがね。

ここで非常に印象深いシーンがある。



ある初老の夫婦が医者の所にやってきた。

夫が小さい頃から片耳が不自由で聞こえないから
診て欲しいという。

医者が診てみると
実は耳の穴に”木の実”が入っていて
聞こえなかっただけだったわけです。

木の実を取り除くと
それはもうよく聞こえるようになり
夫は喜んで帰って行った。

しかし暫くすると
今度は夫が一人で医者の所に来て

「もう一度、木の実を耳に戻して欲しい」と、言う。

医者が理由を聞くと

「女房が口うるさくて耐えられない」と、言うわけですね。

すると医者はとても素敵な事を言ったんです。(記憶をたどっているので正確ではないですが…)



「女房に言われる前に薪割りをすればいいじゃないか。
それから
畑仕事の帰り道に、
毎日、道に咲いている花を一輪積んで女房に渡す事が大切だよ。」



いい事をいうなぁ…と、感動しましたね。

長年連れ添ってきたけれども
「飯」「風呂」しか言わない亭主。

女房も言いたくはないけれども
文句の一つも言いたくなるわけですな。

しかし
ある日、花を一輪持って帰って来れば
それは嬉しいと思いますよ。

映画に出てくる口やかましい女房の
驚きの顔とちょっと照れた様な顔が
映画では出てきませんが、想像できますね。


これは私自身が身につまされました。

「ありがとう。」という
ちょっとした一言ですね。

私自身が感謝の気持ちを伝えているか…と、聞かれれば
伝えていないと思います。

例えばアメリカのアカデミー賞で受賞した役者さんは
必ず!!!
「何よりも僕を支えてくれた
最愛の妻に感謝します」と、言いつつ
翌年にはさっさと離婚してしまっているケースがあったりして
「愛している妻に感謝」と、言われても
やや安っぽい感じが致しますが

「そんな事はいちいち言わなくてもわかっているだろ」という事ではなく
一輪の花で気持ちを伝える…要するに、感謝の言葉ですね。

大切だなぁ…と、思います。

しかしね…わかっちゃぁ…いるんですが
ついついね、毎日に忙殺されていると
「ちょっとっ!あんたっ!いい加減にしてよっ!!!」と、なっちまうのが
私の悪い癖でございますな。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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