時効

以前も書き込みいたしましたが

森繁久弥氏が主演の
1959年に公開された映画「社長太平記」(シリーズ化 6回)という
映画があります。

戦後から高度成長期の日本文化がよくわかり
また映画そのものもコメディですから
観やすい作品でございます。

”社長”である森繁久弥の
興味深いシーンがある。

昭和30年代…
「これからね、君。
アメリカ流が一番なんだよ。」と、言って

ざるそばをフォークで食べるという滑稽なシーンがある。

これが興味深いと思った。

ざるそばをフォークで…というのは
極端に揶揄して表現しているのでしょうが

当時はそういったタイプの人…つまり
日常生活にアメリカ流を積極的に取り入れようとした人達が
流行ったのでしょうかね。

父はそれを嫌がっていた節があり
彼の面白可笑しい解説付きで「社長太平記」を観た記憶があります。

そういったタイプの人を
(今は死語でしょうけれども)

「彼は”アメリカナイズド”されているからね」という褒め言葉があったり

「彼は”アメリカかぶれ”しているから」というやや皮肉めいた言葉があったり

いずれにいたしましても
私の小さい頃の生活にも
少なからず影響を与えていたのは事実。


「アメリカかぶれ」を嫌う父に対して
「アメリカナイズド」されたい母の憧れの対象が

ケネディ一家…特にケネディ大統領とジャクリーヌ夫人だったと思います。


ここまでが前置きですね(長っ!!!)


幼稚園の送り迎えの時などに
よく母に話してもらいましたね。

さも、見ていたかの様に
身振り手振りを入れて
JFKがジャクリーヌ(ジャッキー)にプロポーズをする場面なんかを
言って聞かせてくれたわけですが

ただ、彼女の話は
どこか「信憑性に欠けている」と、子供ながらに思っておりました。

母の話は
デティールが時によって異なるんですね。

「ケネディが『お父さんに』車を借りて…」が
「ケネディが『友達に』車を借りて…」という風にですな。

ただ小さい頃に母親から受ける影響というのは大きいですね。

娘時代から本屋さんで目にすると
片っ端からJFK関連…特にジャッキーの本を買うようになりましたのは
間違いなく彼女の影響かと…。

またネットが普及してまいりますと
自分なりに調べますから

やはり!案の定!
彼女からの話しは
”ガセネタ”が多かったですね。

美化し過ぎでございますな。

私も本当に大人気ないのでございますが
母も70歳をとっくに過ぎておりますから
放っておいてあげればいいのに

電話をするんですよ。

「また、あなたの話の間違いを見つけたわよ。
事実はね…」と、延々と文献を読んで聞かせるわけです。

母はうんざりした様に
「そんな事を言った覚えはない…」と、言う。

「言いましたね!!富岡に住んでいる時!!」

44〜5年前の事ですから、母も忘れているのでしょうが
時効がないんですね…。(←鬼娘)

今日も、母が歯のクリーニングに来まして
帰り際に映画の話になりまして

「う…ん。フランス映画は難しくてね。
観終わった後に、スカッとしないから好きじゃないのよ。
だから、フランスの本も嫌ね。」と、彼女。

ほら!また矛盾が出ましたね!

サガンを勧めたのは彼女ですからね。

「悲しみよこんにちは」を、買ってきてくれたのは母ですからね。

「そうだったかねぇ…。記憶にないねぇ…。」

政治家の答弁じゃねぇですけど
「記憶にございません。」と、シラを切るから腹立たしい。



「そんな昔の事、
いつまでも言わない方がいいよっ!
先生は案外、ねちっこいねぇ…。」と、スタッフの藤崎さんに指摘され

苦笑…。

そうですね…そろそろ時効にしてあげないと
可哀想かな…と、思いました。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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