開業当時から通ってくださっている女性。

カルテを見たら

「あれぇ?Tさんって81歳になるのぉ?」と、驚いた。

10歳は若く見えるわぁ…なんてお話をさせて頂いておりました。

10年以上寝たきりのご主人の介護をされているから
「気が張っているのかもね」と、仰っておられた。


ご自身も足腰が痛いからと、病院に通っておられるわけですが
ご主人が特にしものお世話は
奥様でないと嫌がるのだそうだ。


結婚されて60年近く経つわけですが
若い頃にはイワユル、飲む、打つ、買うのご主人に
相当ご苦労されたそうで
子供を連れて実家に帰った事もあるけれども

「実家も貧乏百姓だから、”辛抱”するしかなかったんだいねぇ…」と、仰る。

辛抱という言葉は
現在では殆ど死後に等しい気がいたします。

”我慢”は出来るけれども
”辛抱”は…これ難しい。

失礼な質問かもしれないけれども
介護しているご主人に対してどんな気持ちがするの?と、伺うと


「1日でも長く一緒にいたいね。」そして
「あの人を残しては逝けないからね。」


毎日、映画を観ておりますが
人には皆さんそれぞれ映画以上のドラマがありますね。

「やっぱり一人は寂しいと思うよ」と、仰っておられた。

夫婦というのは
50年、60年連れ添うと
私には想像も出来ないような絆が生まれるんでしょうか。

今朝も少し明るくなり始めた時間帯に
病院周りの草むしりをする母の姿を目に致しました。

父が他界する少し前の時間は
双方が死期をわかっていたかの様に
二人でよく出かけて時間を共有して
恋人同士の様で、初めて見る二人の姿でした。

母は今、どんな気持ちでいるのでしょうか。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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