ダイアナ・ヴリーランド

海外を旅すると
アメリカ人だけはすぐわかるんですよね。

特にヨーロッパを旅行すると
一目瞭然。

格好が…まぁ…何と申しますか…
お世辞にもオシャレとは言えない…。

またアメリカのニュースを観ていて
街並みを歩く若い方々を拝見しても
「……。」

それに比べて
日本の若い方々は
個性的でオシャレだなぁ…と、思う。

これは世界的にも
トップレベルじゃないのでは?と、思う。

ただ
私が生まれた時代は
ちょっと時代をさかのぼると
戦後の混乱期から高度成長期を迎え
それが安定してきた昭和40年代。

「奥様は魔女」というアメリカのドラマが
爆発的な人気があって(後にニコール・キッドマン主演でリメイク)
こぞって観ましたし



日曜日になると映画館に行って
ハリウッド映画を観て育ちましたから
アメリカ的になるのが
オシャレの象徴というイメージが
子供心にありましたね。

特に「奥様は魔女」では
子供の目には
アメリカの普通の一般家庭のお宅が
それは大豪邸の様に映り
色鮮やかなキッチンが衝撃的で
奥様役のサマンサが
大きなオーブンで焼くパイやミートローフが
それはご馳走の様に思いましたね…。

しかし段々歳を重ねていくと
小さい頃に抱いていた憧れが
段々と冷めていくわけですね。

ちょっと前に流行った米ドラマ
「デスパレートの妻たち」を観ると(途中で観るのをやめましたけど)
私が小さい頃に観た
「奥様は魔女」からちっとも進歩してねぇなぁ…と、思う。

何故だろ…と、常日頃から思っていたのですが
要するに国民性が保守的なんでしょうね。

昨夜、WOWOWでドキュメンタリー映画
「ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ」を観て
何となく謎が解けた気がした。

ダイアナ・ヴリーランドは
ファッション雑誌
ハーパスバザーやヴォーグの
超有名な編集者ですね。



映画「プラダを着た悪魔」は
ヴォーグの有名編集長アナ・ウィンターをモデルにしておりますが

えっと…(こうゆう例えは怒られちゃうかな…)
アナ・ウィンターがローマ法王だとすると
ダイアナ・ヴリーランドは神でしょうな。

この“神”が現在のファッションの原型を造ったと言っても
過言ではないのでしょうかね。

このお二人に共通しているのは
幼少期はパリやイギリスで過ごしているんですよね。

多感な時期に欧州で過ごした経験がなければ
この2人の天才編集者は
世に出なかったかもしれないですな。

1903年生まれのダイアナ・ヴリーランドは
「私は20世紀の始まりをみたのよ。
特にパリは素晴らしく美しかったわ!
ベル・エポックの時代!!」と、言う。

ベル・エポックというと
1900年のパリ万博前後の
パリの華やかな時代というイメージ。
パリの街並みはルノワールのこんな感じだったのではないでしょうか。



また彼女はあのココ・シャネルに
彼女の私邸で仮縫いをしてもらった人ですからね!!

彼女はその後
ニューヨークに住み
銀行家と結婚するわけですが
ファッション雑誌のハーパスバザーの編集者をやり
ヴォーグの編集長となり
ファッションの概念や
女性の生き方を根底から変えた人。

当時の雑誌を見てもそれはもう斬新で
独特の着眼点でモデルを起用。

それが後の数々の大スターとなる。

デビュー当時のローリングストーンズの
ミック・ジャガーにいち早く目を付けたのも彼女。

これは私も知らなかったのですが
ブルージーンズ(デニム)を流行らせたのも彼女だそうですね。

「ブルージーンズは
ベニスのゴンドラ以来の最高傑作」と、言っている。

そんな彼女が
「日本はすごいわよ。
神は日本にはダイアモンドも石油も金も与えなかったけど
その代わりに『スタイル』を与えた」と、言っておりましたが
(金は与えてくれましたけどね)

ほぉう。
なるほどね…と、思った。

だから日本人ってオシャレなのかな…。

独自のスタイルがDNAに組み込まれているのかも。

それは着物をはじめとする
様々な独自の文化がございますからね。
わび、さび…という独特の美意識とかね。

さて、ヴォーグの編集長として
ファッション界の女帝として
常に挑戦し続けた彼女ですが
商業主義が蔓延してくると
徹底した芸術性を求める彼女の方向性と
雑誌の方向性がかみ合わなくなってくる。

そして70年代にヴォーグの編集長から退く。

1つの時代の終焉ですね。

この頃からアメリカ文化も少しずつ変わってくる。

「何でだろ…」と、以前から思っていた疑問。

点と点がつながった気がした。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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