亭主元気で…

うちのクリニックの患者さんで
いつもご夫婦でいらしてくださるお二方がいらっしゃる。

奥様がヨーロッパの方なので
日本人のご主人が
付き添いでおみえになるのですな。

まさに美男美女のカップルで
いつもファッション雑誌の撮影帰り…という程
素敵な装いに目を引く。

さて…
このお二方…結婚されて9年経つとの事ですが
仕事も自営なので
いつも一緒なのだそうだ。

ご主人が
「この間、2人で買い物に行って
初めて300m位離れたんですけどね…。」

えぇっ?!

「って事は
365日24時間、近距離にいるって事ですか?」と、伺うと
「そうですねぇ…。離れませんね。
必ず同じ空間にいますねぇ。」と、言って
2人で見つめ合う。

とにかく仲が良くて
新婚さんみたい。
見ていて微笑ましい。

喧嘩も一度もないという。

すごいなぁ…。

「縁起の悪い事を言う様ですけど
特にご主人…、将来奥様に先立たれたら
どうするの?」と、言うと

「本当ですねぇ…。困りますねぇ…。」と、苦笑。

まさに運命の2人と申しますか
小説に出て来そうな位、仲が良くて
2人の絆が深い。

「先生のところも
うちと一緒でお子さんはいらっしゃらないんですよね?」と、
ご主人に聞かれ
「えぇ…。そうなんですけど、
うちの場合は
お金だけは運んでもらって
“亭主元気で留守がいい“というクチですからねぇ…」と、言ったら
笑っていらした。

さて…ここで考えた。

「亭主元気で留守がいい」という言葉を
奥様に英語で説明してしまうと
非常におかしな事になると思った。

場合によっては薄情な妻という印象を与えてしまう可能性もある。
(まぁ…どっちみち、薄情な妻やってますけどね…。
思いっきりね…)

日本人同士であれば
「ほ〜んと、亭主元気で留守がいいわよねぇ〜。」という
奥様同士の会話でも
笑い飛ばせますがね。

口ではそういっていても
根底の部分で深い愛情があるというのは
暗黙の了解ですからね。

しかしこれ…英語にするとどうなんでしょうね。
微妙なニュアンスが伝えられない。
考え始めたら夜も眠れなくなってしまった(うそ)

ない知恵をしぼって考えてみて
“薄情な妻”感をなくしつつ、やんわりと説明するとすれば
例えば
“The key to getting on excellently as husband and wife is a way from each other’s” とかね。

でもやっぱり違うかなぁ…と思い
早速、弟のタケに電話をして
これを言ってみたら

「難しく考え過ぎだよ」と、言われ
「俺が高校時代に習ったのはさ…
英語と米語で2種類あって
“Healthy husband is best out of the house”と
“A good husband is health and absence”だよ。」と、言う。

「そのまんまじゃんか」と、言うと
そうなのだそうだ。

「って事は『亭主元気で留守がいい』という概念は
ある意味、世界共通なわけ?」と、言うと

「ことわざにもあるわけだから
そうなのかもね…少なくても英語圏の国はね。」との事。

なるほどねぇ…。

また1つ勉強になりました。

しかしこれって高校で習うのね。

日本の英語教育のレベルって
やっぱりすごいですねぇ…。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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