ハーブ&ドロシー

今朝は確か2010年位に公開されたドキュメンタリー映画
「ハーブ&ドロシー」を観ました。

これは大好きな作品のひとつ。

何度観ても飽きない…。

解説をそのまま抜粋しますと
ニューヨークで暮らす郵便局員の夫ハーブと
図書館司書の妻ドロシーの
ヴォーゲル夫妻。





現代アート界では
このご夫婦程有名な人はいないのではないでしょうか。

2人の共通の趣味は現代アートのコレクション。

彼らがコレクションを選ぶ基準は2つ。

1)公務員である自分達の給料で買える値段である事。
2)夫婦が暮らす1LDKのアパートに収まるサイズである事。

つつましい生活の中で
約30年の歳月をかけてコツコツと買い集めた作品の数々。

その数はいつしか4000点を超え、
気がつけば20世紀のアート史に残る作家の名品だらけに。

だが2人は、最初から手に入れた作品が
名作になる事を予想していたわけではなく
あくまでも、自分達の気に入った物を揃えていただけにすぎなかったわけです。

私が驚いたのはその作品選びの眼力

チャック・クロースや
ジャンヌ・クロードといった
現代アートを代表するアーティスト達の作品も多々ある。

アーティスト達が無名な頃
「夫婦はちょくちょくアトリエに来て
真剣に作品を見て買っていってくれて
当時は全然作品が売れなくて
金銭的にも苦労していたから
本当に有り難かった…」と
現代アートの巨匠達が、昔をふりかえり語る。

「最近はアート作品は投資目的で
売買されている…」とハーブ氏は嘆く。

下賎極まりない私なんぞは
「4000点もの名作の数々を売却すれば
現在お住まいの1LDKのアパードではなく
アッパーウエストサイドあたりの
豪華なマンションで暮らす事もできるのになぁ…」という考えが
脳裏をよぎりますが
このご夫婦は全く『無欲』なんですよ。

ポンポンと
全米の国立美術館に寄贈しちゃう…。

現在も
ご高齢の為、杖をついてヨロヨロと歩く夫を
妻が支えながら
あちこちにアトリエに通い続けている。

しかし
ヨロヨロしている夫、ハーブ氏の作品を凝視する目は
少年の様な若々しさがよみがえる。

またこのご夫婦の
ほのぼのとした雰囲気がいい…。

「本当に豊かな人生とは何か」…と
あらためて考えさせられる映画です。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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