サクライサン

実家では私が小さい頃から
電球が切れると
近所の電気屋さんの桜井電気のおじさんが来て
あっという間に交換してくれた。

電化製品もすべて桜井電気で購入していた。

現在もそう。

大型の電気店が沢山出来ても
うちの両親は
世の中の電気関連の全ては
桜井電気がコントロールしていると信じて疑わない。

「サクライサンに電話しろ」が合い言葉。

そういう両親に育てられた私は
電球や電池の交換が大嫌い。

先日、私のオフィスの電球がきれた。

不便だとは思ったけれどなす術が無い。

同じ親に育てられた弟のタケも
「チコちゃん…それは仕方が無いよ。
だってサクライサンがいないわけだからさ…」と電話で言う。

「そうだよねぇ…。まぁ…部屋が暗くても命を取られるわけじゃないもんね。」

「そうだよチコちゃん!アハハ…」

「アハハ…」

いい歳をして相変わらずアホな姉弟である。
(ちなみにこの時は4時間オーバーの長電話でした…)

その数週間後…
真っ暗な部屋の中でパソコンのキーをたたいていたら
矯正のゆう子先生が
怪訝そうな顔で入って来て
「目を悪くするわよ」と言い
何やら脚立を持って来て
桜井電気のオジサンの様に
テキパキと電球を外してくれた。

ゆう子先生…かっこいいっス…。

そしてその外した電球を私の机の上にポンと置き
「これと同じ型番のを買ってもらいなよね…」と言って
部屋を去った。

拝啓  ゆう子先生 (←「北の国から」風)

僕はとても困惑しているわけで…

「同じ型番」って言われても何が何だか
皆目検討がつかないわけで…

「そこまでやったんなら、
オメーが新しい電球をつけてくれればいいじゃないか。」
なんて思ってしまっているズルい自分がいるわけで…

「でもそんな事はおっかなくって言えねぇなぁ…」
なんて思ってしまっている弱虫の自分がいるわけで…

ゆう子先生…

あの電球は…
まだ…
僕の机の上に放置されています…。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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