発表会③

ピアノ発表会シリーズも3話目となり
大失態の精神的後遺症からやっと抜け出せた今日この頃。

自分の人生を振り返ってみると
紆余曲折はしたものの
好きな様に生きて来たし
対人は別として
相手が自分の場合は
努力すれば必ず事は成し遂げられるわけだから挫折するはずもないし
尚かつ結果を出さなければ意味が無いと言い放って生きて来たと思う。

発表会の次の日
夜、泣きながら母に電話して事の成り行きを説明した。

「スタッフの関にも『先生は挫折を経験した事がないでしょ。いい薬になったと思うよ』って言われた」と、言うと

「さすが関さんはいい事を言うわね」と母。

「例えばね、子育てってあるでしょ。
子育ては挫折の連続なのよ。
それでも投げ出せないでしょ。」と、言う。

「ピアノは挫折して嫌だったら辞められるけど
子育ては辞められませんからね。」

更に続く
「だいいち、あなた…ピアノを始めて何ヶ月?え?たった三ヶ月でしょ…。
それで弾けなかったからって、当たり前ですっ!
芸術をなめるんじゃないわよ。」

芸術とは殆ど無縁の彼女だが
妙に説得力がある。

「これでもし…今回、完璧に弾けていたらね…
あなたはもっと有頂天になったと思うわよ。
だから芸術の神様が
わざと失敗させてくれたんじゃないの?
有り難い事ですよ。
もっと精進して練習するのね」

涙と鼻水でグズグズになりながら
「うん。頑張るよ」と私。

いい歳をして
未だに親離れ出来ないマザコンの中年女なのでございますな。

また患者さんの中でも
私が母と慕う方が大勢いらっしゃる。

Sさんは開業当初からいらしてくれる方で
うちの母と同世代の方。

私の豆好きをご存知で
時々金時豆を煮たものを届けてくれたりする。

先日、たまたま化粧をせずスッピンで仕事をしていたら

「あれ?先生、やっと化粧がまともになったわね」と笑う。

えーっ?!お化粧していないんですけど…。

「『やっとまともになった』って事は、
今までひどかったって事ぉー?!」と言うと

そうだという。

濃すぎるのだそうだ。

「せっかく品のある顔立ちをしているのに
あれじゃぁまるで×××(←放送禁止用語)みたいだよ。
もったいないっ!」

この様に「歯科医師 対 患者さん」という立場の場合は全く別だが
いざ、治療を終えて「人 対 人」として話をする時
歯に衣を着せずに何でもハッキリと指摘して下さる。

だからこそ母と慕える。

そのSさんにも
「発表会で大失敗しちゃった…」と言ったら
「先生にはいい薬だよ。いい経験させてもらったんじゃないの?
世の中は思う様に行かない事って沢山あるんだからさ」と
カラッと気持ちよく笑っておられた。

次の日彼女は
「先生、元気だしな!」
切り干し大根の煮物や
大根の甘酢漬けなどの手料理を届けて下さった。

彼女の思いやりに涙が出そうになった。

最近では彼女の言うトコロの「ひどい化粧」はやめて
ほぼスッピンで仕事をしております…。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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