昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記
前橋の昭和大橋歯科院 院長Dr.チコの日々の想いを綴っています。
ゲリラ
私の実家は典型的な昭和型の
いわゆるさざえさんの家のような構造になっている。
明治生まれの両親に育てられた戦前生まれの私の両親は
住まいというものは雨風をしのげて
その空間で生活が出来ればいい…という考えが根底にあるわけですよ。
しかし
それが私達の世代になると
住まいというのは
その空間で生活出来るという考えは最低条件で
さらにそこに「快適性」であったり「癒しの空間」であったりと
様々オプションを求めるようになるわけです。
ですから時々実家に帰ったりすると
何だか居心地が悪い。落ち着かない。
その原因は物がありすぎる事。
使われていない大きなダイニングテーブルが部屋の隅に置いてあり
その上にゴチャゴチャと物が詰まれているから
圧迫感があり息苦しくなる。
とにかくうちの両親は「もったいない」と言って
何でも取っておく。
捨てない。
すると“物”はどんどん増えていくから
置き場所がなくなってくる。
仕方が無いから、お金を出して倉庫を建てる。
私に言わせれば本末転倒。
倉庫を建てるお金の方がよっぽどもったいない。
そういった環境で育ったせいか
それが反面教師となり
私は3年以上使わない食器や洋服は不要な物とみなし
どんどん捨てるなり
必要な人がいればもらって頂いたりする。
特に洋服に関しては
「いつかは着るだろうから…」と、言って取っておいても
断言します。絶対に着ませんよ。
また近頃では80年代ブームですが
本当の80年代に来ていた物を実際着てみると
ものすごくヤボったい。
ですから結局、着ないんですよ。
そして話を実家に戻しますが
「捨てた方がいいわよ」と、私が電話で散々言っても
母は「忙しいから」とか「うちはうちのペースがあるから」とか言って
極端な変化を嫌うのよね。
まぁ…彼女をかばうわけではないが
本当にあのヒトの超多忙スケジュールは認めます。
私が「だったら業者さんに頼めば?」なんて言おうものなら
「そんなのもったいないっ!贅沢っ!」という、
母からの反論が簡単に予想されるので
あえて何も言いませんが…。
そして結局何も変わらない現状。
仕方が無いので先日、意を決して
強行ゲリラ“リフォーム”部隊として(部隊といっても私ひとりですけど…)
敵地(実家)へのりこんだ。
幸いにも三女の利江がいたので
彼女にもゲリラ部隊への参加を要請したところ
快諾。
ちょうど日曜日の夕食の少し前の時間だったのですが
唖然とする両親に有無を言わさず
諸悪の根源であるところの
古くて大きなダイニングテーブルを捨て
細々とした物を強行的に捨て
本当にすっきりとした空間になりました。
私にいわせるトコロの
いわゆるその細々とした“ガラクタ”をよくみてみると
おそらく数十年前の未年に金融機関から頂いたんでしょうな。
やけに大きな羊のせともの製の貯金箱やら
ふたの取っ手が取れたヤカンやら
よくもまぁ…今まで取っておいたなぁ…と
呆れて開いた口がふさがらない。
突如、ゲリラ部隊に来襲されて困惑していた両親も
いつのまにか手伝わされ
結局最後にスッキリと生まれ変わった部屋を見回して
「あらぁ…部屋が広くて明るくなったわねぇ…」と満足そうな母。
あれだけグズグズ言っていた彼女の
変わり身の速さというか
順応性の速さには
さすがの私も苦笑いなのでした。