古い友人から

先日古い友人から久しぶりに電話がありました。

香弥子は私より5歳年上で
若かりし頃の私に多大な影響を与えた女性。

彼女との家族ぐるみの付き合いは
もう20年以上になります。

知り合った頃はいわゆるバブル時代の後期頃だったと思います。

当時の写真をみると
もう破いて捨てたくなるほど
勘違いの田舎娘丸出しの私でしたが
彼女は典型的な東京山の手出身の
垢抜けた洗練された人でした。

何しろ男性よくもてた人で
時代が時代でしたから
やれブルガリの時計だの
やれベンツだのと
彼女の元には
高価なプレゼントがよく贈られてきました。

しかし
そのプレゼントの贈り主が
好きな相手ではなかったりすると
「別にこんなの貰ってもねぇ…」とあまり嬉しそうでない彼女が
またまたかっこよくて
多感な年頃だった私は
彼女のことを「すんげぇなぁ〜」といつも憧れて
彼女の口癖や仕草など
よく真似したものですし
彼女の武勇伝はそれは楽しくワクワクしたものです。

その後彼女は獣医大に行き
結婚し現在は独立して開業され
「私なんかもう家から500メートル以上は何処にも行かないわ。
今は車と犬の面倒をみるのが楽しみかなぁ。」と
すっかり落ち着いて幸せそう。

そして私たちは
お互い知り尽くしている間だからこそ
数年のブランクなどなかったように
深夜の長電話は夜更けまで続きました。

当時はお互いにフラれる度に
「もうオトコはやめて出家するしかないわね」
「そうよっ!!瀬戸内寂聴先生の法話でも聴きに行くぅ?」と
盛り上がってみたり

「この失恋の経験を生かして小説にしたらどうかしら」
「いいわねぇ〜。森瑤子っぽい小説がいいなぁ〜」と
原稿用紙と万年筆をわざわざ購入し
何も書けずに三日坊主で執筆家を廃業したりと
二人の思いでは数々あり
彼女からの電話は
何だか古い戦友に再会した様な気持ちで
いつもの晩酌が特別美味しく感じました。

是非近いうちに
彼女に会いに行くつもりです。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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