昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

Kさんは80歳をすぎても
とても元気なご婦人で
今朝も久しぶりに診療にいらっしゃいました。

朝、待合室をみると
エッグチェアーに座りにくそうにチョコンと腰をかけている。

うちは基本的には予約制ですが
彼女にはそんなルールは通用しない。

「予約ぅ？そんなもんあるわけないじゃないか！
はやく診とくれっ！」とこの調子。

歯のかぶせ物のかたどりをして
一週間後に出来てきますのでと受付の者が言うと
「そんな事言われてもねぇ…
風が強ければさぁ…
おっくう（めんどくさい）だからさぁ…
きられるか（来られるか）わかんないよっ！」と言う。

しかしこの私、彼女の扱いはオテノモノでして
「Kさん、忙しいのはわかるんだけどさぁ〜
どうしても来週になっちゃうのよ。
美味しいコーヒーを入れておくから
悪いけど一週間後に来てくれない？」と手を合わせると
「先生がそういうんじゃショウガナイね。
おっくうだけど、きてやるよ」と言い「先生のコーヒーはうんめぇからなぁ」と可愛い事を言う。

今朝は自転車の後ろの籠を指差して
「先生に食べさせてやろうと思ってさ、畑からもいできたんだよ。霜が降りたからすごく甘いよ」と、
山のように積まれたホウレン草。

思わず目頭が熱くなる。

すると
「何をボケ〜っと見てるんだよ。日が暮れちゃうよ。
早く持っていっとくれ！」と彼女。

要するに彼女はとってもシャイなんですな。

ですからついつい照れ隠しに毒舌が出ちゃう。

私はそんな彼女が大好き。
私もついつい照れ隠しに余計な事を口ばしっちゃうトコロが多々あるので
とても理解できるんですよ。

来週は彼女の為に
しっかりと美味しいコーヒーを用意しておこうと思います。